データ分析担当者向けセミナー 「gloops流データアナリストの部署間連携術」に行ってきた
昨日、2014/10/8に開催された、gloopsさんのデータアナリスト向けセミナーにいってきました(`・ω・´)
私はただの1エンジニアではあるんですが、今後自社プロダクトの分析環境つくる仕事が待ってそうな気がするので、データサイエンティストの皆様の中、混ざりこんでまいりました。
仕事が長引いて、遅れて参加になったのが残念(`;ω;´) CMの効果測定話聞きたかったなぁ… とはいえ、後半の部署間連携の話しはガッツリ聞けたので、かなり有益だったと思います。
gloopsさん、話には聞いていましたが、かなり徹底してデータ解析に力入れている感を感じました。ここまで徹底的にやれると、プロダクトの改善がはかどりますね。
ここから、セミナー内容のメモを元に、雑多なまとめを紹介します。
プロダクトと一緒に、どう走っていくかの話
いまやグループスさんの看板コンテンツとなった、「スカイロック」のCM配信と、それに付随するゲーム施策の話。
キャラデザがアレだとかいろいろ話題になった作品ですが、天下の集英社がなにも言わんとこみると、許可はもらってる感じなんですかね。それはそれとして。
スカイロックのユーザー獲得のため、CMをマスで配信していたそうです。割りとゴールデンタイムに配信してた印象。自分も何回か見たことあります。
CM配信と合わせて、ユーザー獲得のための施策を22本ほど平行して走らせていたそうです。普段が8本ほどらしいので、かなり多めの施策を走らせていたみたいですね。
この施策を決定するために、ディレクタとデータアナリストが、どのような施策を打つか調整していたそうです。 gloopsさんでは、
「HBU」
という指標を第一に行ったとのこと。
この指標は
- 直近30日間で、ほぼすべての日数を遊んでいるユーザー
を意味しているそうです。この数値が高ければ高いほど、ユーザーが楽しんで率先して遊んでいることになる。
なので、この数値を向上させていくことが、プロダクトの成長につながる、とのこと。
つまりHBUを向上させる≒「継続率」の向上、が言えるのですが、この数値を向上させるのはかなり難しいとのお話でした。
ユーザーがゲームをやめるタイミングは、ユーザー自身が感じたことがトリガーとなるため、施策単位でコントロールすることが不可能であると。
また、「この施策があれば万全だよね」という、銀の弾丸まがいのものは存在しないため、闇雲に施策を打っても改善していかない。
gloopsではどうやったか
そこで、gloopsさんでは、プロダクト側と、自社データアナリストが連携して、
- どのタイミングで、ユーザーが飽きてしまうのか?
- ユーザーのレベルや、セグメント毎に、なにか関連があるのか?
を分析して、今回のCM施策に役立てたそうです。その時の指標として、例に出されていたのが、
- ゲーム内の強さが、ある数値を超えると、継続率が伸びる
- ゲーム内のクエスト進行度が、一定より上になると、継続率が伸びる
の2点だそうです。これは普段の運営で蓄積したデータを使って出した指標です。
この指標を元に行った施策で、セミナーで紹介されたものはこんな感じでした。
- 未インストール者向けに、強キャラクタと進化アイテムを配布する、ログインボーナス
- 離脱ユーザー向けに、カムバック限定パネルミッション
- 既存ユーザー向けにも特殊な施策(ここ聞きそびれました)
ユーザーの属性毎に、異なる施策を用意するようにしていますね。
分析と施策
ここで、ちょっと前に書いた、データアナリストの分析結果を思い出してください。
前に戻るのも面倒だと思うので、さくっとコピペ。
- ゲーム内の強さが、ある数値を超えると、継続率が伸びる
- ゲーム内のクエスト進行度が、一定より上になると、継続率が伸びる
これです。この指標が、即ち「継続率が高いユーザー」の条件です。CM施策はこの条件に合うように、
- 初心者ユーザーが、一定以上の強さに、すぐ到達できるように、強いキャラクタ配る
- 離脱ユーザーが、また継続してくれるように、パネルミッションに、クエスト進行度絡みのミッション含める
を狙って打たれました。これすごいですね。仮説があって、データ分析して、最適な施策を導き出す。
実際、この施策を実行した結果、期間中のHBUが1.5倍。売上が期間平均1.1倍ほど、向上がみられた、とのことでした。
分析内容の共有はどうするべきか - データアナリストがコストハウスにならないために -
さて、このような成果を出した、分析と施策のコラボレーションですが、普通こんなにうまく回るとは思えないです。
データアナリストと企画陣で、データの見方や、必要としている情報が異なりますからねぇ…。
どのように、うまくデータの話共有を行うかどうか、の話題がありました。
データアナリストが分析したデータを、そのまま渡すとどうなるか。
おおかた、膨大なデータにあふれて、どこを見るべきか、の判断に時間かかるようになります。
そうすると、企画陣は、せっかく解析してできたデータを、読まずに放置しがちになってしまいますよね?企画担当者も、プロダクトの改善や、新規施策策定に忙しいですから。しかたない。
では、そのデータをいかにして企画陣に見てもらうか。
gloopsさんでは、企画担当者が分析したデータから、企画陣が興味を持ちそうな、施策に直結したデータに加工して渡しているそうです。 企画担当者も、どんなに忙しかろうが、自分の興味ある、担当している施策に関するデータを、読まずに放置することはないです。
gloopsさんでは、データアナリストに必要な条件として、以下3つ、挙げられてました。
- 伝えたいことを明確にする
期待されている、要求されているモノを適切に伝える方法を知っていること - 解析する対象自身を知る
自身のプロダクトは、どのように使われているか、を理解する - データを共通認識させる
データアナリスト以外が、データとどう向き合うか、の意識づくり
もっと自分たちのプロダクトを知り、その分析結果をわかりやすく伝えられるか。データをチームで利用できる空気になっているか。データが正しく理解されるように報告できるかどうか。
最初から全部カバーすることは大変ですが、ここまでできれば優秀なデータアナリストになれそうですね。
#gdms2014
仮設(企画) → 分析(DM) でサイクル回して仮説の精度上げる。
分析から得られたデータを元に施策を策定。
で運用している感じですね
— しのゆ (@shinoyu) 2014, 10月 8
総評
仕事切り上げが遅くなり遅れていったため、前半部分のメモがなかったりするんですが、後半の部分だけでも、かなりボリュームがあるセミナーだったと思います。
ただ、今回のセミナーでは、具体的な体制づくりの話には、多く触れられなかったことに、物足りなさを感じたり。これから体制作っていく人にとっては、この部分が一番聞きたいところじゃないかなー、と思いました。
次回も、セミナー開催頂けるとのことだったので、また次回に期待して、参加したいと思います( ・`ω・´)