リーン開発での『決定を遅らせる』がやっと理解できた話
リーン開発を学ぶ状況において、これまであんまり理解しきれてなかったものに、『決定を遅らせる』があります。
これ字面だけ見て全く意味が読み込めなかったんですよねー(´・ω・`) え?意思決定を遅れさせるってどういうことさ?
そのヒントはこの本にありました。
エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- 作者: 広木大地
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今年の春先くらいに話題になった本ですね。買ったっきり積読してたのですが、何気なく開いた先に知りたかったことが書かれてました。└('ω')┘いいですね。
本書では『決定を遅らせる』(本書では、遅延した意思決定、と表記)を説明するのに、ポジション取引の例が使われていました。先物取引とか呼ばれるアレです。株とか詳しくない人向けに雑な説明をすると、実際の商品を取引するのではなく、将来の売買する権利を扱うものですね。権利の償却時期が来たときに、その時の相場などを見て最終的な買う買わないの選択ができます。
すぐに商品買ってしまうより、後から買える権利だけを買っておいて、実際に儲けが出るときだけ取引すればよい。これをプロダクト開発に当てはめてみます。
- すぐ決定する場合
- 開発するプロダクトの内容が決まり、すぐに開発開始します。人的リソースを最初から大量投入して、素早く製品をリリースします。
- 『決定を遅らせる』場合
- 開発するプロダクトの内容が決まり、顧客ニーズや価値を測れる最低限の機能だけを、数人で作り試します。試した結果うまくいく感覚がつかめたら、人的リソースを投入し、製品をリリースします。
すぐ決定する、『決定を遅らせる』を比較した場合、うまく成功するケースでは、すぐ決定する方が少ないコストでリリース出来ます。『決定を遅らせる』では事前の検証+開発が必要で、トータルでみると作業量は増えるためです。
ただ、これが失敗する可能性が高かったり、何が成功かわからない状態で開発するとします。
プロダクト開発において、最初から勝ち筋が見えている戦いは多くありません。概ね何が当たるかわからない不確実性が高い状態から始まります(だからこそ成功するプロダクトは多くないわけで(´・ω・`))
すぐ決定し、最初から全力リソース投下した結果失敗した場合、開発費が丸々ドブに流れます。
一方、『決定を遅らせる』場合は、事前の検証分だけが損失となります。すぐ決定する場合と比較して、小さい損失で済むため、失敗を活かした再挑戦が可能になり、その分試行回数も増やせるため成功する確度を高めることを期待できます。
まとめ
『決定を遅らせる』とは、まず小さく仮説検証を繰り返して精度を高め、より成功率高くプロダクトを提供していくための方法論だった(`・ω・´)